捕盗庁(ポドチョン)の役割・機能は?
『トンイ』の中で頻繁に登場する*1捕盗庁(ポドチョン)とは、李氏朝鮮時代に創設されたと伝えられます。漢城府(ハンソンブ=首都漢陽のある場所)及び*2京畿道(キョンギド=首都ソウルを取り囲む防衛・交通の要衝)の治安業務を担当する部署で日本で言う警察に相当する機関です。略して「捕庁」と呼ぶこともあります。
捕盗庁(ポドチョン)は、李氏朝鮮の第9代成宗(在位:1469年 - 1494年)から第11代中宗代(在位:1506年 - 1544年)の治世に創設されたとされる部署です。ドラマ『チャングムの誓い』の時代背景となった頃でしょうか・・・。
ちなみに広大な地域の治安維持にあたったため、管轄区域は東西に分けられ、左捕盗庁(チャポドチョン)と右捕盗庁(ウポドチョン)に分けられていたという事です。
左右それぞれの捕盗庁に従二品官の大将(テジャン)1名と、従六品官の従事官(チョンサガン)2~3名、部将(プジャン)3~4名などの役人が勤務していました。
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ドラマ「トンイ」に登場する捕盗庁の人物
捕盗庁・従事官(チョンサガン)であるソ・ヨンギがトンイと深いかかわりを持っています。
トンイの父で厚い信頼関係で結ばれていた検死役のヒョウォン(実はコムゲの首領)の幼かった娘が、宮廷で奴婢として働くトンイではないかと最初は疑います。しかし、次第にトンイの捜査能力を高く評価し、彼女がコムゲのヒョウォンの娘であることに気づいてからも、トンイの味方となり励まし支える人物です。
参考
*1「トンイ」や「イ・サン」をはじめとする韓国歴史ドラマにはたびたび捕盗庁が登場します。捕盗庁を題材にしたドラマには、茶母(タモ=下働きの奴婢)出身の女刑事の活躍を描いた『チェオクの剣』が人気を呼びました。『ファンジニ』、現代ドラマでは『シークレット・ガーデン』で華麗な舞やアクションを披露してくれた美人女優の「ハ・ジウォン」がヒロインを演じました。
*2京畿道(キョンギド)は、現在のソウル市を取り囲む地域で、李氏朝鮮時代から交通や防衛の要として重要視されていました。イ・サンが新首都を夢見た水原華城(スウォン・ファソン)、朝鮮歴代王の王墓がある東九陵(トングルン)、トンイの墓がある坡州・昭寧園(パジュ・ソリョンウォン)など数々の観光スポットがある所で、韓国歴史ドラマファンなら一度は訪れてみたい場所です。
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