ドラマ 『トンイ』の中で、粛宗(スクチョン)が、お忍びで街へ出た時に出会ったトンイに自分の身を偽って「自分は漢城府(ハンソンブ)」の判官であると名乗りますが、漢城府とは一体何のことを指し、判官(パンガン)とはどんな意味なのでしょうか?
まず、漢城(ハンソン)とは朝鮮時代の王都(首都)であり、城砦都市であったことから「城」と言う名前が付いています。現在の韓国の首都ソウル(ソウル特別市)に相当します。
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漢城府の役割
王宮のある漢城・城砦都市の行政・治安維持と防衛を司った国王直属の官庁です。
漢城府の起源とその規模
漢城府の起源は、李氏朝鮮の開祖である「太祖・李成桂」が高麗最後の王、「恭譲王」からの禅譲によって即位した後、高麗の首都・開城(ケソン、開京)から、漢陽に遷都したことに始まります。(太祖4年、1395年)
李成桂は、漢陽府を漢城府と改め、王宮を囲む周囲17kmに及ぶ城砦都市を建設します。この漢城府の範囲が、以降500年の間継続されることになります。
さて、漢城府に居住する人口は、三代王太宗(テジョン)が統治した15世紀初頭の人口が約10万人程度と言われています。粛宗が統治した17世紀後期から18世紀初めの頃は約20万人ほどの人口であったと言う記述が残されています。(正確な統計データ見当たらず)
漢城府判官(ハンソンブ・パンガン)とは
漢城府には、長官に相当する正二品判尹1名、補佐としての従二品2名(左尹、右尹、各1名)、従四品庶尹、従五品判官、正七品参軍が勤務していました。
粛宗が名乗った判官とは、漢城府内では序列4番目の官僚だったという事になるわけです。
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