ドラマ『トンイ』の中で、内命婦(ネミョンブ)と言う名称がときどき登場します。
この「内命婦」とは何を指すのでしょうか?
内命婦とは、宮廷で働く女官(宮女)をはじめ王室の後宮達の総称です。彼女達には全て品階が与えられており、正一品の嬪(ピン)から始まり、従九品までの19品階に分けられていました。
内命婦の統括は、通常、王の正室である王妃(王后=ワンフ、別名を中殿=チュンジョン)がその任に当たったとされます。
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『トンイ』では、王妃は仁顕(イニョン)王后でしたので、彼女が内命婦の長であったという事になります。
例外として、品階に属さない女性達もおり、彼女達は以下のような女性たちでした。
- 中殿(チュンジョン)、王后(ワンフ)とも呼びます・・・王の正室のことです。
- 公主(コンジュ)・・・王の正室(中殿)が生んだ娘(姫)のこと。
- 翁主(オンジュ)・・・・・・側室が生んだ王の娘。
- 大妃(テビ)、大王妃(テワンビ)とも・・・先代の王の正室、通常「王の母」にあたりますが必ずしもそうとは限りません。
- 大王大妃(テワンデビ)・・先々代の王の正室。
- 嬪宮(ピングン)・・・・・・・王世子(ワンセジャ=皇太子)の正室のこと。
さて、品階を持つ女性達とはどんな人たちだったのでしょうか?
19の品階に分かれていた内命婦の女性達
大きく分けると、王の後宮(側室)と女官達です。以下の表で名称と品階をまとめてみました。
ドラマに登場する正一品の「嬪=ピン」の代表例としては、朝鮮三大悪女の一人としてあげられるチャン・ヒビン(禧嬪張氏=ヒビン チャンシ)。そしてトンイも後年、淑嬪(淑嬪崔氏=スクピンチェシ)の号を授けられます。
側室達(後宮)の品階 | ||
名称 | 読み方 | 品階 |
嬪 | ピン | 正一品 |
貴人 | クィイン | 従一品 |
昭儀 | ソイ | 正二品 |
淑儀 | スギ | 従二品 |
昭容 | ソヨン | 正三品 |
淑容 | スギョン | 従三品 |
昭媛 | ソウォン | 正四品 |
淑媛 | スグォン | 従四品 |
女官達の品階 | ||
尚宮 | サングン | 正五品 |
先述したように、全部で19品階に分けてありますが繁雑になってしまうので、ここではドラマの中で良く登場するものに絞ってあります。
なお、正式の側室になっていないものの、側室相当の扱いを受ける特別尚宮がおり、彼女達は承恩尚宮(スウォン・サングン)と呼ばれました。
トンイも最初は承恩尚宮として入内したのでした。(第30話で、命をつけ狙われるトンイを守るため粛宗の計らいで承恩尚宮として宮廷に入内します。)
*詳しく知りたい方は、以下のリンクが参考となりますので調べてみると良いでしょう。
- 朝鮮王朝官職表 (外部リンク、別窓で開きます)
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