第56話 夢に見た両班
ホジュンは、ヒルを使って患部から血膿を吸い出すという奇抜は方法で信城君の腫れ物を治療していましたが、周囲からの圧力をはねのけ、見事に病を完治させます。
新治療法に、最初は反対していた殿下は、改めてホジュンの功績を高く評価し、正三品 堂上官の品階を与え、御医に任命します。それは、ホジュンがついに憧れの両班になったことを意味するのでした。
ホジュンは、ヒルを使って患部から血膿を吸い出すという奇抜は方法で信城君の腫れ物を治療していましたが、周囲からの圧力をはねのけ、見事に病を完治させます。
新治療法に、最初は反対していた殿下は、改めてホジュンの功績を高く評価し、正三品 堂上官の品階を与え、御医に任命します。それは、ホジュンがついに憧れの両班になったことを意味するのでした。
恭嬪が亡くなってから歳月は流れ、ホジュンは湯薬庫と書庫にこもって医書の執筆に明け暮れていました。
恭嬪を失った殿下は、まるでそんなことなど忘れてしまったかのように仁嬪とその子、信城君を深く寵愛し、恭嬪の2人の王子、光海君と臨海君は孤独な日々を送っていました。
そして、ホジュンは恭嬪、ドジは仁嬪の宮医にそれぞれ任命され、内医院でも重要な地位を独占することになりました。
しかし、仁嬪は殿下の子供を身ごもり、飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが、恭嬪はいまや忘れられた過去の女として寂しい日々を過ごしていました。
恭嬪は、仁嬪の懐妊のお祝いに訪ねた仁嬪殿で門前払いを受け、屈辱感に打ちひしがれながら、自分の人生を振り返り、自分が手にしてきた富や名誉や幸福のはかなさを痛感します。
ホジュンは恭嬪の急病を治すために獄中から呼び戻されます。さっそく駆けつけてみると、恭嬪の病は真心痛(心筋梗塞)で意識不明の状態でした。
かつて同じ病で苦しむアン・グァンイクを針で救ったことのあるホジュンは、今度もその方法で恭嬪の命を取りとめることに成功します。
殿下は、恭嬪を救ってくれた功労を認め、再びホジュンの赦免を提案しますが、大臣たちの猛反対に合い、思い通りにいきません。
一方で、恭嬪も命の恩人であるホジュンが、またしても投獄されたと聞き、何とか赦免するよう殿下に願い出ます。
ホジュンの突然の逮捕に恵民署に激震が走ります。
キム・マンギョンはこみあげる怒りを抑えきれず、捕盗庁を訪ねますが、ことはすでに朝廷の重臣の耳にまで入っており、ペ・チョンスの意思でもどうにもできないというのです。
その頃、朝廷では重臣たちが集まってホジュンの処遇について話し合っていました。
ホジュンは疫病を無事に退治し、医官としての務めを全うした満足感に浸る間もなく捕盗庁のペ・チョンスに自首します。
すると、そこへ殿下が疫病退治に功労のあった医官たちとじきじきに謁見するとの知らせが入り、すんでのところで逮捕が延期になります。
また、ペ・チョンスは疫病の現場で身を粉にして働くホジュンを見て、医官としてのホジュンの人柄と腕に信頼を抱き始め、罪を見逃すことも考え始めていましたが、その矢先、ホジュンの罪がついに朝廷の人々の耳に入ってしまいます。
ホジュンは、黄海道一帯に広がった疫病を退治すべく派遣されます。あまりに酷い惨状に、朝廷からは次々に医官、医女が大幅増員されて派遣されます。
仲間たちの到着を心強く迎え入れるホジュンですが、その中に鋭い視線でホジュンを見つめるペ・チョンスがいました。
一方、ホジュンは、山陰にいた頃に経験した疫病と症状が似ていることから、その時と同じ処方を試してみることにしました。
すると、なんと、それまで口も聞けずに横たわっていた患者が見る見るうちに回復しはじめたではありませんか…。
ペ・チョンスは、ホジュンが龍川のホジュンであることに気づき、証拠を握るため部下にホジュンの身辺調査を命じます。
ホジュンは、あのことに気づかれた以上、もはや逃げられないと考え、友人のマンギョンに事実を打ち明けるのでした。
ペ・チョンスから龍川での密貿易の話を聞いた時は、見当違いと笑い飛ばしたマンギョンでしたが、ホジュンから打ち明けられた以上、認めざるをえませんでした。
ある日のこと、イェジンは、理由も告げられず不安を抱えて宮中に向かいます。
そして自分たちが民国の使節のお伽の相手に選ばれたと知らされ、愕然とします。
国の運命を握る重要な任務とあって、誰がなんと頼もうと、役割から逃れられない状態でした。
お伽の夜、イェジンはきれいに着飾られた自分の姿を鏡に映しながら、ホジュンに宛てて手紙をしたためます。
ドジの妻に頼まれ、原因不明の重病に倒れたドジの母親の看病に向かったホジュン。
しかし、オ氏はホジュンの顔を見るや、ひどく取り乱し、汚く罵って部屋から追い出した挙げ句に、また下血して倒れてしまいます。
母親が気を失った隙に診察したホジュンは、病気の原因は血崩であり、ここ3~4日が峠であると判断します。
ホジュンは、恭嬪の弟の病を治した功労を認められ、奉事を飛び越えて直長に昇進します。
その一方で、ドジは明国へ行く使節団の随行医官に任命されます。
民国までの遠い道のりを徒歩でついて行く随行医官は大変な苦行で、通常は末端医官の役割でしたが、主簿であるドジが任命されたのは、医女とのスキャンダルが原因だったのです。
ホジュンは殿下から下賜されたご馳走を食べながら、久しぶりに家族と友人との団欒を楽しんでいました。
ダヒと母親は、オグンからこの間の出来事を聞き、ホジュンの苦労を心から労い、感謝するのでした。
恭嬪の弟の病を治療した功労として、家族を恭嬪殿に招待されたホジュンは、恭嬪から思いがけない申し出を受けます。
なんと!恭嬪殿の宮医になってほしいと言うのです。