『イ・サン』は韓国で大人気を誇った歴史ドラマ、巨匠イ・ビョンフン監督が手掛けた77話に及ぶ長編ドラマですが、この記事では父、思悼世子を失った米びつ事件、最愛の側室ソンヨンとのロマンス、サンの守護神パク・テスとの友情、忠臣ホン・グギョンとの出会いと別れのおすすめシーンを紹介します。
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ドラマの中で描かれたイ・サン像
『イ・サン』は、トンイの息子クムこと英祖の孫で、朝鮮王朝後期に文化の華を咲かせた偉大な22代王、正祖大王(チョンジョテワン)を描いた物語です。
イ・ソジン、女優ハン・ジミンが共演した全77話に及ぶ長編歴史ドラマ。
イ・サンは、亡き父の「聖君になれ」という遺言を守り、数々の改革を行いながら、派閥・身分を問わず能力のある者を登用し、朝鮮末期文化の繁栄に貢献しました。
政敵は、英祖の正室・貞純王后(チョンスンワンフ)を後ろ盾にした老論派で、サンは幼い時から世孫として何度も命を狙われる事に。
たび重なる老論派(父を陰謀で死に追いやった主流派)の陰謀で命の危険にさらされながらも、1776年に祖父・英祖崩御を受けて国王に即位します。
正祖大王の称号を受けたイ・サンは、1800年6月、49歳で病に倒れる波乱万丈の生涯を閉じます。今でも、聖王・世宗(セジョン)と共に国民に親しまれることになります。
韓国歴史ドラマの巨匠で、『宮廷女官チャングムの誓い』、『トンイ』、『馬医』、『サイムダン~師任堂~色の日記』を手掛けたイ・ビョンフン監督作品です。
イ・サンのおすすめシーンは?
米櫃事件(米びつ事件)
英祖の次男、荘献世子(チャンホンセジャ)または“思悼世子(サドセジャ)米櫃事件”と呼ばれます。
イ・サンが11歳の時に起きた事件。
事件の経緯
病がちの英祖は、荘献世子に代理聴政をさせようとしますが、世子を支持する南人・少論派と反対派の老論派が対立し、世子と英祖を仲違いさせる陰謀を巡らせます。
老論派の策略が功を奏し、英祖の圧力を受けた世子は精神的に追い込まれ異常行動を起こすように。
ついに英祖の世子への不信感が爆発し、世子を廃位して米櫃に閉じ込めて餓死させてしまいます。事件の後、英祖は世子を死なせた事を深く後悔し、思悼世子(サドセジャ)という諡(おくりな)を贈る事に。
ソンヨン、パク・テスとの出会い
第1話で、米櫃に閉じ込められた父、荘献世子に会いに行く幼いイ・サンが、恋人・生涯の友となるソン・ソンヨン、パク・テスと出会います。
「友の誓い」を交わした3人は、9年ぶりに再会する事に。(第9話 九年前の約束)
ソンヨンとのロマンス
第9話で再会を果たしたソンヨンにほのかな慕情を抱くイ・サンですが、この後、幾つかのクライマックスシーンがありますのでご紹介します。
イ・サンはソンヨンに恋をしますが、母親の恵慶宮(ヘギョングン、演キョン・ミリ)の反対に遭う事に。ソンヨンを嫌う恵慶宮の計略で、ソンヨンは図画署代表として遠く清国へ追いやられる事に(第32話 突然の別れ)。
行方不明となっていたソンヨンが、満身創痍で朝鮮に帰ってきます。高熱を発し意識不明のソンヨンを必死に看病するイ・サンの姿がいじらしいです。(第36話 愛しき友)
やっとイ・サンの元へ帰って来たソンヨンに新たな試練が降りかかる事に。相変わらずソンヨンを嫌う恵慶宮ですが、サンの正妃・ヒョイ王妃はソンヨンの心を知り側室に迎えようとしていました。
そこへ降って沸いたのが、サンの頼れる臣下ホン・グギョン(洪国栄)の妹の側室入り。恵慶宮は乗り気ですが、この事が後にヒョイ王妃とホン・グギョンの確執を生み、悲劇を招くことに。
とてもじれったいエピソードが続きますが、やっと二人に恋の成就が訪れます。満開の桜の木の下でソンヨンに愛を告白するイ・サン(第61話 王の告白)、そして、ソンヨンを側室に迎えるエピソード(第62話 夢叶う)の二つは泣けるシーンです。
ソンヨンとの永遠の別れのシーンも涙なしには見られません。最愛の息子で世子のヒャンを失った後、ソンヨン(宜嬪成氏 "ウィビン・ソン氏" )は不治の病に侵されますが、最後に肖像画を描くことを決心するのです。(第74話 最後の肖像画)
なお、英祖がソンヨンにあるものを渡すシーンも見逃せません。(第44話 形見の指輪)
パク・テスとの友情
イ・サンの忠実な親衛隊長として、また生涯の友として成長していくパク・テスの姿も感動的です。
イ・サンの側で護衛官として仕えたかったパク・テスがついに武官に合格します。後にサンの側近となるホン・グギョンのお手柄でした。(第15話 護衛官への道)
護衛官となったパク・テスは、この後イ・サンを命がけで守っていきます。(第17話 決死の身代わり)
ホン・グギョンを失い、ソンヨンが臨月を迎えた頃、サンは精鋭の武官を集めた新たな王の親衛部隊の副大将にテスを任命します。(第71話 命がけの出産)
この後、パク・テスは大将(テジャン、従二品相当)に昇格しますが、イ・サンの崩御後も、サン息子の純祖の護衛として忠節を尽くすのです。
忠臣達との交わり
イ・サンの一番の忠臣・側近はホン・グギョン
ホン・グギョンはイ・サンが進める改革の右腕となって活躍しますが、妹をイ・サンの側室に送り込むあたりから人生の歯車が狂いだします。
ヒョイ王妃を憎むホン・グギョンが、故英祖の正室だった貞純王后と手を組み恐ろしい計画に手を染める事に。(第65話 悲しき暗殺者)
イ・サンにとっては側近以上に友としても大事な存在だったホン・グギョンを断罪します。サンの苦しい胸の内が心を締め付けます。(第67話 最後の慈悲)
イ・サンとホン・グギョンが最後の面会をするシーンは涙なしには語れません。(第68話 別れ そして再起)
大妃との戦いの結末
貞純大妃逮捕するも、生かす。
ついに反対派の南人派を追い落とし、貞純王后を拘束しますが、イ・サンは彼女を殺さず、生かすことに。
正祖の死後、次男の純祖が即位し、政敵だった貞純王后が垂簾聴政を行ったのは歴史上の皮肉か。
主なキャストについてはこちらをご参考。
6月からイ・サンが再放送!
なお、衛星放送のホームドラマチャンネルで、2017年6月から放送開始!
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