ホン・グギョン(洪国栄)とはどんな人物か
ホン・グギョン(洪国栄)とイ・サンとのかかわり
イ・サンこと正祖(チョンジョ)が、絶対的信頼を置いた臣下にドラマにも登場する洪国栄(ホン・グギョン)がいますが、常に王の傍に使え、直接対話ができる立場を乱用した彼の行き過ぎた勢道政治(権力独占政治)に危険を感じたイ・サンによって、結局、洪国栄は失脚の憂き目にあい、流刑地で悲しい最期を迎える人物です。
ホン・グギョン(洪国栄)は、もともと、サンが王世孫(ワンセソン=現王の孫で王位継承者)であった頃から警護にあたりサンを支えた側近です。また、イ・サンの友、パク・テスが護衛官を目指すための武科(科挙)合格にも力を貸しました。
俳優ハン・サンジンさんが、ホン・グギョン役を演じています。(輝国山人の韓国映画 ハン・サンジン)
*ホン・グギョンが朝鮮王として再登場!?…ハン・サンジンさんは2012年10月から韓国MBCで放送され、2013年7月7日からNHK BSプレミアムで放送される『馬医』(イ・ビョンフン監督)に顯宗役で出演しています。(2013年6月28日追記修正)
続きでホン・グギョンの半生を詳しくご説明しています。
スポンサードリンク
ホン・グギョンの栄光
ホン・グギョンは、非常に優秀な官僚であったらしく、常に命を狙われていたイ・サンの厚い信頼を背景に目覚ましい昇進を遂げ、官職者の違法行為を監督する官庁である司憲府(サホンブ)の要職就任を皮切りに、王直轄の特別部隊で王の護衛を担当する宿衛所(スギソ)の隊長と、王の命令や決定事項を対外的に公表伝達したり、逆に下々から寄せられる上訴など外部から寄せられる意見などを王に伝える役目を負う承政院(スジョンウォン)の長官である都承旨(トスンジ)に任官し(正三品堂上に相当…堂上とは王宮に上がり王と対面する事ができる身分)にまで昇進しました。一方で、ライバル官僚たちからは大いに恐れられ妬まれる存在でもありました。
宮廷内で絶大な権力を手中にしつつあったホン・グギョンの栄光も、あることがきっかけで影を落とし始めます。
ウォンビン(元嬪)の入内
イ・サンの母、恵慶宮洪氏(ヘギョングンホンシ)と同族である縁から、サンの側室として自分の妹であるウォンビン(元嬪)を側室として入内させ外戚となることに。最初は、外戚となることに抵抗していたホン・グギョンですが、恵慶宮からイ・サンに対する忠誠心を示し、政敵から王を守るために何としても外戚となり力を尽くすよう求められた結果でした。 (ウォンビン=元嬪の詳しい記録は残っていないようですが、12歳で入内し13歳で亡くなったとの記録もあるようです。名前は不明ですが、ドラマ「王道=ワンド」では、ナミと言う名前で登場します)
「イ・サンの為に全てを捧げる」という決意が、自分でも気づかぬ内に権力を手にし、政敵を排除していく中、先王・英祖の妃、貞純(チョンスン)大妃の陰謀に巻き込まれ、専横を振るうまでに暴走してしまいます。
ウォンビン(元嬪)の死と孝懿(ヒョイ)王妃との確執
ホン・グギョンも加担した想像妊娠隠ぺい事件がもとで王室侮辱の罪に問われ、平民への降格を宣告されたウォンビン(元嬪)はその罪を詫びるため雨に打たれ続けた事と心労から病を得、無念の死を遂げます。想像妊娠隠ぺいの真相を孝懿(ヒョイ)王妃に見破られたことを、元嬪の死は王妃の妹に対するイジメが原因だったと逆恨みし、その後の王妃毒殺未遂事件へと発展していきます。
ホン・グギョンの失脚
ウォンビン(元嬪)亡き後、彼女が王と兄の為に王子を産みたかったという遺志を継ぎ、イ・サンの異母弟ウノングン(恩彦君)の子ワンプングン(完豊君)を妹の養子として、外戚への道を再び開こうとします。また、孝懿(ヒョイ)王妃に対する復讐に燃えるホン・グギョンは、その復讐心から後にヒョイ王妃毒殺計画を実行しますが、思いとどまります。ところが、王妃では無く、結果的に自分を心から信頼してくれる正祖を毒殺しようとしてしまった事実を知り、罪の意識に苛まれ、遂に自首、陰謀が明るみに…。イ・サン(正祖)の失望を買って尋問の末に江陵へ配流となり、文字通り全てを失った後に尋問の後遺症から病を発して、正祖とテスに看取られながら息を引き取ります。亨年34歳であったと言われます。
他の韓国歴史ドラマに登場するホン・グギョン
ホン・グギョンを描いたドラマとして有名なのが、韓国ドラマ「王道」です。こちらでも、彼のプロフィールを違った角度から眺めることができます。
【出典・参考】
スポンサードリンク