■第1話 朝鮮一の推奴師
推奴師のイ・テギルは、ワンソンとチェと呼ばれる男たちと共に推奴ハンターとして生計を立てていました。主人の家から逃亡した奴婢を捕まえて報償金を得ることを生業にするテギルは獣のような男として人々から恐れられていました。しかし、獲物を狩る時以外、うつろな目をしている男がいつも思い出すのは、初恋の相手でありながら家門を没落させたオンニョンの面影だったのです。
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テギル達はいつものように両班 「ヤンバン=貴族階級」から逃げ出した奴婢(ヌヒ=奴隷階級)を追い、彼等を両班である主人の元に連れ戻すため荒野を追っていました。
一方、朝鮮最高の武将と言われたテハは、友人の裏切りによって奴婢へと落ちぶれていました。しかし彼は昭顕世子の信頼の厚い人物であったかたわら、今は厩で他の奴婢たちと共に下働きをする日々を過ごしていました。
テギルは、10年に渡ってオンニョンの消息を追っていました。テギルが両班の身分で生きていた頃、奴婢のオンニョンへの恋心が忘れられなかったからでした。
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